2020.06.27 令和2年度奨学金贈呈式

グランドエンパイアホテルにて、令和2年度 奨学金贈呈式を開催しました。

   
代表挨拶

九州工業大学  程 志欣(テイ シキン)さん/中国

 只今ご紹介いただきました九州工業大学工学部応用化学科4年の程志欣でございます。第14期アシュラン国際奨学生を代表いたしまして、一言お礼の言葉を述べさせていただきます。まず、私たちは公益財団法人アシュラン国際奨学財団の令和2年度奨学生に採用されたことを大変光栄に思い、東理事長ご夫妻はじめ、財団関係者の皆様に深く感謝申し上げます。また、本日このような心のこもった式典を挙げていただき、誠に感謝申し上げます。ありがとうございます。

 私は中学生の頃から言語に興味が深く、英語の授業以外に日本語を独学で勉強していました。その時の私は主にテキストやドラマから異文化の知見を得ていました。日本語の上達に伴って、「ドラマで見たシーンはどこまで真実を反映しているか」との疑問を抱き始めました。「チャンスがあれば必ず現地で体感してみたい!」と留学の道に最初の種を蒔きました。高校を卒業した後、「日本に留学すると、質の高い教育を受けられるだけでなく、日本語も習得でき、日本文化に関する理解も深めることができる」と考え、19歳の私は日本へ旅立ちました。

 私が育った家庭は、飢えるというほどではありませんが貧しく、経済的な問題で好きな習い事ができないことが多くありました。幼い頃から塾に通える友達が羨ましく思いましたが、学校の授業を自分にとって唯一のチャンスと捉え、誰よりも真面目に授業に取り組みました。大好きなピアノを継続するには大金が掛かるため、勉強に努力してエンジニアになると決心しました。このような厳しい状況の中、留学のことを全力で支えてくれた両親に感謝しています。

 私は学部3年後期より、研究室に早期配属され、液滴衝突時液膜の挙動およびその数値解析について研究を行っています。研究と勉学に多く時間をとられていても、生活費や授業料の負担が大きいため、長時間のアルバイトをしないといけない現実があります。このような悩みを抱えている留学生は少なくないと思います。空いている時間に必ずアルバイトができるようにするため、去年からアルバイトを4つに増やしました。勉強とアルバイトを必ず両立させようと思いながら、体力と精神の限界が試される日々を送っていました。 この様な状況に困っている私たちに、温かく助けの手を差し伸べてくださったのがアシュラン国際奨学財団の皆様です。感謝の気持ちでいっぱいです。貴財団のおかげで、経済的な負担が軽くなり、研究や勉強に、これまで以上に専念できることが見えてきました。今まで、アルバイトに費やしていた時間を研究にまわせば、きっと優れた学業成果を得ることができるだろうと思うと、研究へのチャレンジが怖くなく、心強くもなります。

 最後に、私を含め第14期アシュラン国際奨学生は、貴財団のご厚意ご期待に応えるように、引き続き学業に励み、有意義な事に挑戦して行くことを誓います。

ご清聴ありがとうございました。