2021.12.04 令和3年度奨学金贈呈式

グランドエンパイアホテルにて、令和3年度 奨学金贈呈式を開催しました。

   
代表挨拶

福岡教育大学大学院  李 依依(リ イイ)さん/中国

只今ご紹介いただきました福岡教育大学教育学研究科修士課程2年生の李依依でございます。

「第15期アシュラン国際奨学生」を代表し、お礼のご挨拶を申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、アシュラン国際奨学生にご採用いただき大変光栄でございます。そして、このように盛大な贈呈式を開催くださいました財団関係者の皆様に感謝申し上げます。

私は幼い頃から日本のアニメに興味があり、特に日本の四季に関するシーン「春、桜が満開の時に家族や友人と一緒に花見をする楽しさ」「夏、浴衣を着て好きな人と一緒に花火を見に行くときめき」「秋、美しい紅葉を見る感動」「冬、家族と一緒に温泉に浸かる暖かさ」等に憧れ、四季の変化の実感が強い魅力のある日本に興味をもっていました。そこで、大学は外国語学院の日本語学部に進学し日本語を専攻しました。また、農村小学校の教師である母とよく教育に関する話をする中で、ふるさと中国海南省の農村部の多くの小学校が廃校の危機にあることを知り、農村地域の小学校が魅力的になれば救う可能性があると考えました。そして、インターネットで色々調べ日本の特色ある学校づくりに関する文献を読み、農村僻地の小規模学校について経験豊かな日本で先進な教育学を学びたく、大学卒業後に日本へ留学しました。

私の家庭は決して裕福ではありませんが、母は私の留学の夢をずっと応援してくれました。2018年に来日してからは、母からもらった貯金とアルバイトのお金で、ぎりぎりの留学生活でしたが、翌年に祖母と祖父が相次いて寝たきり状態となり、その薬代や介護費用が高いこともあり、母からの仕送りは難しくなりより一層厳しい状況になりました。

その後、大学院進学が決定し一時帰国していた間に、新型コロナウイルス感染症の拡大により日本への入国が禁止となり、せっかく入学した修士課程1年次は、母国でオンライン授業を受講することとなりました。しかし、ネット環境は悪く、図書館等も利用できないことから学業、研究は思うように進みませんでした。今年1月にやっと再入国することができましたが、遅れていた学業、研究に多くの時間と精力を費やす必要がある一方、学費や生活費等のすべてはアルバイトで賄わなくてはならず、学業とアルバイトとの両立は非常に難しく厳しい状況でした。

この様な状況で困っている私に、温かく助けの手を差し伸べてくださったのがアシュラン国際奨学財団の皆様です。とても感謝の気持ちでいっぱいです。貴財団のおかげで、経済的な負担が軽くなり、研究や勉強に専念できています。これまでアルバイトに費やしていた時間を研究にまわせば、きっと優れた学業成果を得ることができるだろうと思うと、研究へのチャレンジは怖くなく、心強くもなりました。

本当に有難うございました。

最後に、私を含め第15期アシュラン国際奨学生は、貴財団のご厚意ご期待に応えるように、引き続き学業に励み、有意義な事に挑戦して行くことを誓います。 ご清聴ありがとうございました。